避難指示解除の楢葉、解除提案の浪江
町長らと岩渕参院議員が懇談
【写真】松本町長(左から2人目)と懇談する(右へ)岩渕議員、くまがい衆院5区候補ら=1日、福島県楢葉町
(しんぶん「赤旗」2月3日付4面より)
日本共産党の岩渕友参院議員は、東京電力福島第1原発事故による避難指示を解除してから約1年5ヵ月の福島県楢葉町を1日、国が3月末の避難指示解除を提案している同県浪江町を2日に訪れ、首長らと懇談し、実情を聞き取りました。両日とも、くまがい智衆院福島5区候補、また楢葉町には吉田英策県議、浪江町では馬場績(ばば・いさお)同町議がそれぞれ同行しました。
楢葉町は、1月初め時点で町に戻った人が人工7282人中767人(10.5%)。町役場の南側に住居と医療福祉、商業、交流施設を集積したコンパクトタウンを造成中で、役場北側では小学校と中学校を4月から同一校舎で再開させるため急ピッチの作業が続いていました。 松本幸英町長は「震災前の基幹産業だった農業の復興と、生徒数が激減している教育を伸ばすのが大きな課題だ」と話しました。
【写真】浪江町の本間副町長(左)から現状を聞く(左手前から)くまがい衆院福島5区候補、岩渕議員、馬場績町議ら
浪江町(二本松事務所)では馬場有(ばば・たもつ)町長が公務を中座して岩渕議員らにあいさつした後、本間茂行副町長が現状と課題を説明。「(馬場町長は)第一歩を踏みだし、町を残す必要がある、帰町宣言ということではなく帰れる人から帰ろうと言っている」と話しました。
岩渕議員は二本松市の復興公営住宅で住民と懇談。医療・介護免除の支援措置継続など要望が出され、「みなさんの声を国政に届けていく」と述べて激励しました。
格納容器内 毎時53万㍉シーベルト
福島第1原発2号機 1分で死に至る線量
【写真】福島第1原発2号機原子炉格納容器内部=提供東京電力
(しんぶん「赤旗」2月3日付1面より)
東京電力は2日、1月末に実施した福島第1原発2号機の原子炉格納容器内のカメラ調査について、調査場所の放射線量が、最大で毎時約530シーベルト(53万㍉シーベルト)に上るという推計結果を明らかにしました。原子炉圧力容器の周囲の壁から2.3メートルの場所。人間がその場に1分足らずいるだけで市に至るほどの高い放射線量です。今後の廃炉作業の困難さが浮き彫りになりました。
東電によると、放射線量は撮影画像を解析して推計。プラス・マイナス3割程度の誤差があると説明しています。圧力容器直下の線量は、毎時約20シーベルト(2万㍉シーベルト)でした。
また東電は、原子炉圧力容器の直下で1月30日に撮影した画像を鮮明に見えるよう処理し公開。圧力容器の直下にあるグレーチングとよばれる格子状の作業用足場のうち1メートル×1メートルの範囲で、落下しかかっている箇所があることが明らかになりました。
「病気は被ばくが原因」
賠償請求訴訟 元原発作業員が弁論
(しんぶん「赤旗」2月3日付15面より)
【東京地裁】
東京電力福島第1原発の事故対応などに従事した後、白血病を発症して労災認定を受けた北九州市の元作業員の男性(42)が、「病気は被ばくが原因だ」として、東電と九州電力に約5900万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が2日、東京地裁(東亜由美裁判長)でありました。両社は請求棄却を求め、争う姿勢を示しました。
男性は法廷で意見陳述し、現場での放射線管理がずさんだったとした上で、「福島のために命懸けで作業に取り組んだ私たちを危険にさらしておきながら、責任を顧みない東電などには強い怒りを覚える」と語気を強めました。
訴状によると、男性は2011年10月~13年12月、2次下請けの作業員として福島第1、第2原発や九電玄海原発で溶接などを担当。14年1月に急性骨髄性白血病と診断されて入院し、15年10月に白血病で、昨年5月にうつ病でも労災認定されました。
男性側は、福島第1原発で約15.7㍉シーベルト、累積で約19.8シーベルトに上る高線量の被ばくが原因だとした上で、「東電や九電は安全対策を怠り、無用で過大な被ばくをさせた」と主張しています。
浜岡原発5号機 配管に穴2ヵ所
(しんぶん「赤旗」2月3日付15面より)
中部電力は1日、浜岡原発5号機(志津岡県御前崎市)のタービン建屋内で、冷やした蒸気が水となって流れる配管に穴が見つかったと発表しました。配管が茶色く変色した部分で穴が2ヵ所あり、中部電は原因の調査や補修を行います。
穴が見つかったのは、原子炉で発生させた蒸気が冷えて水となった後に流れる配管で、運転中は放射性物質も含まれます。5号機は現在運転を停止しており、中部電は外部への影響はないと説明しています。
5号機は、2011年5月に運転を停止する際に海水が設備内に流れ込み、原子炉内で塩分によるとみられる腐食などが見つかっていました。