東日本大震災・原発事故 5年
避難先の仮設住宅で懇談
除染・賠償・中間貯蔵施設…不安こもごも
~2016年2月9日付 しんぶん「赤旗」北海道・東北のページ より~
日本共産党の高橋千鶴子衆院議員は7日、福島県会津若松市の扇町仮設住宅を訪問し、東京電力福島第1原発(双葉町・大熊町)事故により避難している大熊町住民と懇談しました。高橋議員が同仮設住宅を訪問するのは1年ぶりです。石田洋一元大熊町議、くまがい智参院比例福島選挙区候補が同行しました。
参加した住民は全員が「帰還困難区域」からの避難者。多くは避難指示か解除されたら大熊町に帰還したいとの思いを持っており、同町大川原地区に建設予定の復興公営住宅に入居したいとの声もある一方で、除染も行われておらず、帰還できるのはいったい、いつになるのかとの不安も語られました。
計画すらない
国は帰還困難区域を除く「居住制限区域」と「避難指示解除準備区域」への避難指示を来年3月までに全て解除する方針を示しており、両区域の除染を優先しているため、帰還困難区域についてはいまだ除染の計画すらない状況です。
高橋議員は、「帰還できない状況が続く中で、期限を区切って支援や賠償を打ち切るような国の姿勢はあってはならない、寄せられた声を国会での論戦に生かしたい」と応えました。
苦しい胸のうち
懇談には、福島県内の除染で出た廃棄物の中間貯蔵施設の地権者も参加。地権者は「福島の復興のために、多くの人が中間貯蔵施設は必要だと思っている。しかし、個別の地権者への国の説明は遅れに遅れている。来ても上から目線の説明だ」と話しました。
くまがい候補は「国は当事者のみなさんの苦しい胸のうちをしっかり踏まえて対応すべきだ」と述べました。